昼食後は、長野市の善光寺へ連れて行って頂いた。
仁王門近くの駐車場に車を止めて徒歩で仁王門へ向かった。仁王門からは真っすぐ参道を進めば、山門を経て善光寺の本堂まで続いていた。
中央通りの終点からが石畳の参道になり、左右にはお寺や宿坊が並んだ道を100m程で仁王門に到着する。2回の焼失を経て100年前に再建された建物で、「定額山」と言う扁額を掲げ、左右に大きく迫力のある仁王像(金剛力士)が安置された門だった。普通は口を開けた阿形が右、口を閉めた吽形が左であるが、善光寺の金剛力士は逆の位置になっていた。仁王像の裏側には、三宝荒神像と三面大黒天像が安置されていた。
仁王像の前には沢山の草鞋(わらじ)が掛けられていた。草鞋を奉納することで仁王様の力量を表し、魔物除けの効果があるらしい。今は、主に旅の安全を祈って掛けられているそうだ。
善光寺 山門 ぬれ仏(延命地蔵) 六地蔵
仁王門から左右に飲食店やお土産店が並ぶ石畳の参道を、250m程で、仁王門よりさらに大きい山門に到着した。
山門の手前から広いエリアになり、右側に六地蔵やぬれ仏(延命地蔵)、手水舎等が並んでいた。
山門は、「善光寺」という扁額を掲げた二層入母屋造りの門でサワラの板を用いた栩葺きだそうだ。扁額に書かれた「善光寺」の文字の中には5羽の鳩、「善」の字には牛が隠されていた。
よく見ると山門の2階に当たるエリアに人の姿が。最初は、善光寺関係の人か業者さんかと思ったが、カメラ構えてあっちこっちの写真を撮っている。どうも観光客らしい。2002年~2007年に及ぶ大修理の際に2階に上がれるようになったらしい。本堂の方でチケットを購入すれば、山門の2階に上がることが出来る。
・六地蔵 ・・・・ 地獄・餓鬼・畜生・修羅・人・天の6つの世界で我々衆生を救ってくださる菩薩様
・ぬれ仏(延命地蔵)・・江戸の大火を出したといわれる八百屋お七の霊を慰めたものと言われています。
善光寺 本殿 常香炉 経蔵
山門から50m強で、山門よりも更に大きな本堂に到着する。 (本堂内部は撮影禁止)
本堂も何回も焼失した後、現在の建物は1707年に再建されたもので、本堂内部だけでも巡回路が出来るほど大きな建物だった。間口約24メートル、奥行き約54メートル、高さ約29メートルという大きさ。
正面から入るとまずは外陣と言われるエリア。「びんずる(賓頭廬)尊者」像が目に入る。病を直したい部位を撫でると治してくれると言われている為、皆が撫でる為だろうが、所々、擦り切れた状態で痛々しい。そのすぐ横には「親鸞聖人のお花松」と言われる一本松、外陣の左奥にある閻魔像を拝観した後、本堂の中央部にある内陣エリアに移動した。
内陣では左側に「弥勒菩薩」、右側に「地蔵菩薩」が祀られ、内陣と内々陣を隔てる欄間には、来迎二十五菩薩像が祀られていた。
内陣の奥の内々陣の左奥には瑠璃壇があり、御本尊「一光三尊阿弥陀如来像」が御安置されていた。内々陣の右側には、御三卿として、右から奥様の弥生御前、善光寺を開山された本田善光卿、息子の善佐卿と並んで祀られていた。
本堂を一通り拝観した後、何をするのかも分からないまま、「お戒壇(かいだん)巡り」に行ってみた。内々陣の右側から狭い入口から階段を下りて行くと真っ暗な回廊。ご本尊の下を通る真っ暗な回廊の途中にある「極楽の錠前」を手探りで探り当てると御利益があるらしい。何か手に触れたものがあったが、正解かどうかは分からないままだった。
・ びんずる(賓頭廬)尊者 ・・・ お釈迦様の弟子・十六羅漢の1人で、病人が自ら治したい患部と同じ所を撫でると、神通力で治して下さると言われています。
・親鸞聖人のお花松 ・・・・親鸞聖人が越後から関東に向かう途中に善光寺に参拝され、100日間逗流された時に本尊に松の木を奉納された松に由来するそうです。
・弥勒菩薩(みろくぼさつ) ・・ 今は天界で説法されているが、五十六億七千万年後にこの世に出現され、お覚(さと)りをひらいて衆生を導く仏様
・地蔵菩薩(地蔵菩薩) ・・ 弥勒菩薩がお覚りを開かれるまでの間、六道(地獄、餓鬼、畜生、阿修羅、人、天という六つの迷いの世界)に輪廻して苦しむ衆生をお救いくださる菩薩様
善光寺を一通り見て回った後、上越に帰る途中の上越妙高駅で下して貰った。今晩も泊めてくれると言って頂いたのだか、明日の朝の新幹線で帰る予定だった為、余りお世話になる訳にも行かないので、朝早い便に便利なように駅の近くのホテルに宿泊した。
釜ぶたの湯 上杉謙信公像 落書きだらけの切符
元々は信越本線の駅だったが、北陸新幹線の停車駅になることで、大幅に改築・増築されたようで、綺麗な駅構内だった。
駅の周辺は、営業中のホテルが1つ、建築中が2つと、まだ設備的には準備中と言う感じ。その中で駅の西口を出てすぐの所に天然温泉「釜ぶたの湯」が出来ていると教えて貰っていたので、東口のホテルにチェックインしてすぐに行ってみた。
2018年11月の開店と言う事なので、まだ半年余りしか経っていないせいもあるが、明るく綺麗で清潔な感じ。大浴場、露天風呂、サウナがあり、入浴だけなら大人1人 420円、サウナを付けると600円とリーズナブル。地下1,500mから湧き出るナトリウム・塩化物・炭酸水素塩の天然温泉。
靴を靴箱に入れキーを取る。自販機で入浴券を買って、フロントへ靴箱のキーと入浴券を渡すと、更衣室のキーとタオルをくれる。サウナ無しと付きとでは、ロッカーが分かれていて、キーバンドの色も違っていた。このキーバンドの色でサウナに入っても良いかを判断するらしいが、別にチェックする人はいなかった。
1階にあるので、露天風呂からの景色は今一だが、ちょっとヌルっとして肌に絡む心地よいお湯だった。湯舟の前には椅子が置かれているスペースがあり、入浴する人の邪魔にならず、温まり過ぎた体を少し冷ます事が出来るのは有難かった。
ホテルに戻って、テレビを見ると、明日は新潟、北陸地方は強風注意。JRも運休の可能性があるとの不吉なニュース
6月16日
後は、帰るだけ。全て指定席も取ってあるので、何の問題も無いはずだったが、昨日からの不吉なニュース。取りあえず、北陸新幹線は、動いていた。一番心配した、金沢からの特急サンダーバードも運休はしていなかった。これで一安心。のはずだったが、通路を挟んだ向こう側の4席を向かい合わせて2組の夫婦とおぼしき4人、まだ、午前10時というのにビールを飲みながら賑やかな酒盛りを始めていた。酒盛りは、京都に着くまでの2時間強も続いており、うるさいの何の。 そういえば、行きのサンダーバードの車内も、周りを団体客に囲まれて煩かった。 今回の旅行では、「サンダーバード=煩い」の公式が出来てしまった。
16日は、私の乗った路線は問題無かったのですが、大糸線、えちごトキめき鉄道、日本海ひすいラインなど、帰路の路線周辺では、実際に運休が発生していたようです。